自由診療でかかった費用は医療費控除出来る?
投稿日:2025年1月21日
カテゴリ:スタッフブログ
インプラント治療やセラミック治療、矯正治療といった自由診療とされる治療でかかった歯科治療費が医療費控除の対象になるかどうか、疑問に感じる方も多いでしょう。
結論から言えば、自由診療の費用も医療費控除の対象となります。ただし、かかった全ての費用が控除できるわけではなく、特定の条件を満たしている必要があります。
この記事では。医療費控除ができるその根拠やその対象・条件、または控除できない場合についてお話したいと思います。
結論:自由診療(保険外診療・自費診療)でも医療費控除が可能
自由診療とは、保険が適用されない治療(インプラントや審美歯科、矯正治療など)を指し、保険外診療、自費診療と呼んだりします。これらの治療費用もちゃんと医療費控除の対象となります。控除が認められる根拠は、『所得税法第73条「医療費控除」』で定められています。その根拠法には以下の条件が設けられています:
-
・治療が疾病や怪我、機能的な回復のために行われたもの
歯科治療であっても、噛み合わせの改善や歯の詰め物や被せ物、歯の健康維持を目的とした治療であれば対象となります。 -
・治療の必要性が認められるもの
医学的に必要と判断される治療であれば、保険適用外でも控除の対象になります。
例えば、以下の診療は治療目的によっては控除の対象となります:
- ・噛み合わせを改善し、機能を回復するためのインプラント治療を行った
- ・顎の噛み合わせの改善や機能的な問題解決が目的で矯正治療を行った
- ・セラミックの被せ物(クラウン)で噛み合わせの改善を行った
- など…
- 重要なのは機能的な回復に必要な治療であるか、という点です。
医療費控除の対象外になる場合
自由診療であっても、以下のような場合は控除対象外です:
-
・美容や審美目的の治療(審美治療)に該当する場合
ホワイトニングや、見た目の改善のみを目的とした矯正治療や被せ物の治療は対象外です。例えば、「歯を白くしたい」「形をきれいにしたい」だけの主訴や理由で行った治療が当てはまります。 -
・治療に直接関係のない費用
医療機関への通院時の交通費は控除対象になりますが、宿泊を伴う場合のホテル滞在費や娯楽にかかった費用は対象外です。 -
・補助金などで補填された場合
高額療養費制度や、保険金や会社からの補助金でカバーされた金額は控除対象外となります。
医療費控除の計算方法と申請時の注意点
1. 控除額の計算
医療費控除額は、以下の計算式で求められます:
(年間の総医療費-保険金等で補填された額-10万円または所得の5%のいずれか少ない方)
2. 申請に必要な書類
- ・医療機関が発行する領収書
- ・医療費控除の明細書(確定申告書に添付)
- ・保険金や補助金の支払い明細(補填額がある場合)
- ※場合によって、診断書の提出が求められることがあります。その場合、担当医に相談して発行してもらうことができます。発行手数料の相場は5,000円ほどです。
3. 通院交通費の記録
公共交通機関を利用した場合、その交通費は控除対象になります。意外と失念しがちですので必ず明細は保管しておくようにしましょう。
まとめ
自由診療にかかった歯科治療費も、治療の必要性や目的が認められれば医療費控除の対象となります。ただし、美容・審美が目的の治療であったり治療に直接関係しない費用については控除の対象外です。医療費控除の申請の際は、領収書や明細書といった必要書類などをきちんと準備し、必要な手続きを正確に行いましょう。
もしご自身のケースが医療費控除に該当するか迷った場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。
なお、当院のホームページにも医療費控除について記載しておりますのでご活用ください。
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