ザイゴマインプラントを用いたAll on 4で咬合を改善した症例
オールオン4で上下の咬み合わせを改善した症例
▼歯周病による歯肉の退縮(審美性の低下)、受け口の症状をオールオン4で治療した症例をご紹介します。
初診時の口腔内
上下の歯の見た目と受け口(下の歯が前に出ている歯並び)を治したいとのことでご来院された患者さまです。
正面から見ると受け口であることが明確にお分かりいただけると思います。さらに、歯肉が赤く腫れ、歯周病が進行している状態でした。本来であれば、矯正治療で咬み合わせを改善するのですが、重度の歯周病であるため、矯正に耐えられない、さらに歯を残しても予後不良であると判断しました。
患者さまと相談の結果、インプラント4本で片顎全ての歯を支えるオールオン4で治療することになりました。
骨量が著しく少ない上顎は、通常のインプラントでは難しいと判断し、頬骨に埋入するザイゴマインプラントを用いることにしました。
上下顎のオールオン4手術を実施
▼上顎オールオン4オペ後
骨量が少ない上顎は、頬骨にザイゴマインプラントを埋入後、仮の上部構造(人口歯)を装着しました。下顎には既に仮歯がセットされています。下顎のオペ後に一緒に最終的な上部構造を作製する予定です。
最終的な上部構造装着のためにワンスクリューテストを実施
手術した箇所が治癒した後、上下それぞれ4つのインプラントとチタンフレームがカタつくことなくセット出来るか「ワンスクリューテスト」という手法で適合性を確認します。
ワンスクリューテストとは、複数のインプラント支持型補綴物を装着する時、精密な適合を測定する試験法です。一方の端をスクリュー固定したとき、他の部位が動いたり浮き上がらないかを観察します。
※スクリューは手指で回るところまで回し、そこからさらに力を加えて30度から45度までしか回転しないことが理想的です。
最終的な上部構造を装着して治療完了
チタンフレームの上にセラミックの歯とハイブリッド素材の人工歯茎を盛って作製した上部構造です。上顎、下顎ともに埋入したインプラントに装着して治療完了です。
年齢・性別 | 62歳男性 |
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主訴 | 上下の歯をキレイにしたい。受け口を治したい。 |
治療内容 | AO4とザイゴマインプラント埋入。 ・本来であれば嚙み合わせ治療が必要だが、残存歯が重度の歯周病に罹患しており、矯正に耐えられない上、残しても予後不良であると判断。 ・上顎は、通常のAO4のプロトコルに則っての治療は骨の量が極度に少ないので難しいと判断し、ザイゴマインプラント埋入。 |
治療期間 | 約1年 |
治療回数 | 約30回 |
治療費 | 上顎:オールオン4(チタンフレーム) /2,828,000円 下顎:オールオン4(チタンフレーム) /2,618,000円 ザイゴマインプラント/1,650,000円 計7,106,000円(税抜6,460,000円) |
想定されるリスク | ・術後の疼痛や腫脹 ・機能障害(発音障害)など |