拡大床とワイヤー矯正による矯正治療の症例③
拡大床とワイヤーによる非抜歯矯正の症例(20歳女性 期間1年3ヵ月)
▼一般的には難しい受け口骨格の開咬(前歯が噛んでない)を、拡大床によるスペース確保とGEAWワイヤーによる3次元矯正で大幅にワイヤー装着の期間減少となったケースをご紹介します。
ご来院時の歯列と矯正治療の詳細
こちらの患者さまは、下顎が前方に出ている受け口骨格、さらに前歯が噛み合わない開咬症状を主訴にご来院されました。初診時の口腔内は、歯の並ぶスペース不足、歯列の真ん中が合っていない、さらに、下の歯が内側に倒れ込んでいるという状態でした。
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年齢・性別 |
20歳女性 |
治療計画 |
最初に拡大床を用いて歯を並べるスペースを確保した後、GEAWワイヤーで3次元的に歯を並べる。 |
治療期間 |
1年3ヵ月(拡大床:3ヵ月、ワイヤー矯正:12ヵ月) |
治療回数 |
約20回 |
治療費 |
1,155,000円(税抜1,050,000円) (拡大床上下22万円+成人矯正93.5万円、毎月の口腔内クリーニング代含む) 調整料 5,500円(税抜5,000円)/毎月 |
想定されるリスク |
・一般の矯正と同じく、後戻りや歯根吸収、虫歯など |
①拡大床装置を装着
拡大床装置を装着して、歯列と骨を拡大します。
②拡大床を約3ヵ月使用
拡大床装置を装着して3ヵ月後の状態です。歯の重なりがなくなり、スペースが確保されました。
③ワイヤー装置(0.12㎜)を装着
スペースが確保された後、0.12mmのストレートワイヤーを装着し、レベリング(歯の高さを揃える) 開始。
④ワイヤー装置(0.18㎜)を装着
ワイヤー装置(0.18㎜)を装着して、おおまかに歯並び、歯の高さを合わせていきます。
⑤ゴムメタル(GEAW)ワイヤー装着
ゴムメタル(GEAW)ワイヤー装着して、歯を3次元的に動かします。さらに、開咬と真ん中のずれを改善するため、顎間ゴムの装着開始。
⑥真ん中のずれを改善
歯列の真ん中が合いました。
⑦開咬症状の改善
前歯部分が噛み合い、隙間がなくなりました。
⑧矯正治療の完了
歯並び・噛み合わせが改善されました。装置を外して、矯正治療の完了です。
⑨矯正治療後の保定処置
矯正治療後は後戻りを防止するため、リテーナーを装着して「保定処置」を行っていただきます。
保定処置を行うことで、綺麗な歯並び・適切な噛み合わせを長期的に維持していただくことができます。
矯正治療前後の比較
治療前
治療後
最初に顎骨を広げて上げることによって、ワイヤー矯正での歯の移動がスムーズに行うことができました。難症例でしたが、治療期間を大幅に減らすことができ、患者さまにも大変喜んでいただけました。